movie week

大変で楽しくて幸せな男

 

パクスコンダル パク・シニャン

 
パク・シニャンはあまり多くを語らない。ゆっくりとどこか口下手な話し方だ。
自身を包み込む方法もあまり知らない。初めから自身がどんな人なのか決められる事自体を楽しむ方ではない。しかし彼は自身が好きな事が何なのかだけは明確にわかっている。

パク・シニャンに会ったら一番初めに尋ねたかったことは‘<パクスコンダル>ではどんな演技をされましたか?’ではなかった。彼が直接設立し運営している‘パクシニャンFUN奨学会’についてだった。企業でもない個人が、特別な後援を受けず自身の人脈と才能を活用し、社会寄付活動をしているという事実が驚くべきことではないだろうか。パク・シニャンという名前をかけて、彼に伴う思い責任感と負担感にもまた打ち勝ちながら。彼はなぜ奨学会を続けるのか。


‘まずわたしがなぜこの奨学会をやっているのか知っていることを言ってみて下さい(笑)色んな理由がありますが、急に聞かれると今更のように感じますね、アハハ。奨学会を通じて俳優と劇作家を後援しているのですが、こういうことは韓国にはなかったじゃないですか。ないから作ったんです。こんな奨学会があってもいいという時期になったと考えもしました。正直、切実だったんです。切実でなければ、こんな余計なことをなぜしますか(笑)奨学会を作り運営している人たちも、ここに集まる奨学生たちもみな切実です。他の人たちから見ると私が余裕があるように見えるかもしれませんが、こんな事をする時には緊迫します。緊張と負担感もあります。それにも関わらず他人を手助けする事は、一方では私のように切実な誰かを手助けすることなんです。私が演技をしてみてわかるのですが、切実でなければ決して叶わないことなんです。本当に難しいです。趣味としては絶対にできないことでしょう。他の人たちには俳優や劇作家の志望生を面倒見るという特別な義務感や責任感はないじゃないですか。そんなに助けが必要でない人々のように見えもするし、でも直接この奨学会に身を投じてみると助けが必要な人が本当に多いと知りました。

 

彼は長い間話続けた。‘だから奨学会をなぜ作ったのか’という問いについて決定的な答えは後から出た。

 


‘立派な俳優や劇作家がたくさん生まれて欲しいです。自分のことだけを考える人たちではなく、他の人のことも考えることができるそんな人たちです。若い頃から他の人を助けるということを経験し、そんな雰囲気の中で過ごした人たちはのちに自然と他の人を助けることができると思います。一日で他の人を助けるというのは不可能です。私は一人でその意味が分かるまですごく長い時間がかかりました’


パク・シニャンは2012年に成した事は‘良い人にたくさん出会う事’だと言った。彼は<movie week>のインタビュー前日にある二人の男性と食事をしたことを浮かれた子供のように語った。


‘昨日の夜本当に立派な男性お二人と食事をしました。社会的企業の創業支援団体であるMYSCのチョン・ジノ代表とサムジョンKPMGグループの会長であり(小企業と社会的企業を支援育成する)希望製作所のユン・ヨンガク理事にお会いしました。お二方とも自身の職業がありまた違う方面では他の人を手助けし、自身の精神を注いでこられた方々です。他人を後援することが、彼らの経済活動の比重から見ると本業の1~2パーセントにも満たないが、逆に本業より神経をより多く使っていらっしゃいます。こっちで稼いだお金が結局あっちに行く計算なので、実際には両方が密接した関連があるのでしょう。私も奨学会を4年間やってきましたが、彼らは私よりずっと格好良く立派な方々です。彼らと別れるときまるで告解の秘跡のようにお互いの2013年の計画を話しながら抱擁し合いました。奨学会を始めるとき良い人たちに出会い、お互いに影響を与える事を生涯行っていこうと決めていたのですが、徐々にそのようになっていると思うと大変嬉しく浮き浮きし興奮します。

普通芸能人たちは特別な時期に献金や後援金などで誰かを手助けする。しかしパク・シニャンは持続的に誰かの夢を応援している。それも特に俳優と劇作家たちを。奨学会はすでに順調に4期まで生み出している。今は5期生を募集中だ。4期奨学生の中には最近公開されたイソン・ヒイル監督の<白夜>の主人公であるイ・イギョンも含まれている。‘もう17年近く演技をしたが、これから演技を始めようとする彼らを見ると特別な気分になる。これから彼らは色々な多くの事を経験するでしょう。その時力になりたいんです'
彼は奨学会の話をする時、すごく楽しそうに見えたが、それだけでなく奨学会の名前に'FUN'という単語が入っているのはかなり以外だった。奨学会と'FUN'なんて不釣り合いな単語の組み合わせだ。そうだとするとパク・シニャンが考える'FUN'とは何か。

 

'実際奨学会というのは面白い事じゃないですか。奨学会という単語は本当に良い単語でしょう。でも驚く事に既に多くの人がそこに否定的な認識を持っているということです。誰かに一度も奨学金を与えた事ももらった事も、寄付をした事のない人たちです。お金持ちの人が仕方なくする事業というイメージを持っているのです。私はそんなイメージと結びつけられるのが本当に嫌だったんです。他の人たちとは違う方式で奨学会の本当の意味を探したいです。

 

そうだとしたら、'FUN'はパク・シニャンの生き方と演技人生にも直接結びつく単語であるはずだ。パク・シニャンが濃いメイクをし、韓服を着るムダンとして登場する<パクスコンダル>が公開されると、‘パク・シニャンが壊れた’という言葉が一番多く出てくるだろう。しかし話を交わしてみると、彼にはこの映画を選択したことがごく自然なことだと感じた。彼はおそらく‘壊れた’という言葉自体の意味がわからないだろう。

 

‘そのとおりですよ。俳優にそのような表現はちょっとおかしいでしょう。<パクスコンダル>はコメディーですが、特別にムダンを戯画化したりそういうのとは違います。本当に神が降りるというのは切実な状況で、体が痛くなりながら受けるものなんです。ヤクザに偶然神が降りてくるという設定はおもしろいでしょう。<パクスコンダル>を撮る時現実的に誰が見ても理由のある物語として作るために多くの努力をしました。皆さんがムダンのメイクの話をよくするのですが、それがそんなにたいした事なんですか?演技をするとき他の人の前で真っ裸になって走ることも、道端のごみ箱をあさったりもするんですよ。ドラマ<銭の戦争>(SBS,2007)の時なんですが、主人公が急に落ちぶれて奈落の底に落ちるじゃないですか。それならそれをなんとかして確認させなければ、見ている人たちはしんじないでしょう?何が良いか悩んでアイディアを出しました。ごみ箱をあさり、腐ったハンバーガーを食べて吐くシーン。制作陣が私に30秒を与える言って、私はそれにあった現実的な状況を探したんです。’(笑)

 

前に<パクスコンダル>の制作陣にも聞いたことがある。パク・シニャンが撮影前にどれぐらい徹底した準備体制を整える俳優なのか、絶えずアイディアを提案する誠実な俳優なのか、ということだ。 こんな話をしたらパク・シニャン本人は本当に‘全く分からない’とうように晴れ晴れしい表情をしている。なのでちょっと攻撃するように聞いてみた。
“一日にあまり寝ないでしょう?”“いつでも寝ますよ。”“どんなところでも寝るんですか?”“仕事をする時は誰でもそうでしょう。”“日常でも完璧主義者ですか?”“私の何が?”(笑)
パク・シニャンは人々が自分に対して抱いているイメージを不思議がった。

 

“私が品があって、完璧主義者で、紳士のようだって? 私がそうですか? それがは良い事なんですか、悪い事なんですか?”

 

‘この人、本心なのか?’という疑いを持つ暇もなく、パク・シニャンはただそんな人のようだ。


ロシア留学のつらかった時期、パク・シニャンに教授は一冊の詩集を渡した。 そしてそこに書かれたある詩の一節に今もなお彼は魅了されている。

 

“‘あなたはなぜつらくないことが良いことと考えるのですか’その時その言葉が本当に衝撃的でした。
何故あなたの人生はつらいことがなく生きなければならないのかと尋ねるなんて。皆が当たり前の様にきついと言いながら生きていくじゃないですか。その後からつらい時、常に自分自身にに反対に問うようになりました。幸せだという言葉を意識的に口に出して生きる必要もあると思います。2012年もいつもそうだったように大変でしたし、楽しかったし、幸せになるために努力しました。2013年もそうします。”

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コメント: 2
  • #1

    いちな (木曜日, 03 1月 2013 21:06)

    翻訳をありがとうございました(*^^*)もうすぐMOVIE WEEK が私のもとにやって来ます。奨学会はもうシニャンさんときっても切れない関係ですね。オーデションを見に行きたいです。パクスゴンダルも楽しみです。シニャンさんのメイクはやはり興味深いです(^^)

  • #2

    glory (木曜日, 03 1月 2013 23:34)

    翻訳有難うございます。自分で翻訳機頼りで訳している時、シニャンさんの考え方がほんの少しですが見えて、そんなちょっと嬉しい錯覚を覚えながら読んでいました。
    シニャンさんが一生の仕事としてとらえていらっしゃる奨学会活動、微力ではありますが私たちもその一助となれる事がとても嬉しく誇りに思えます。